【東京~沖縄移住日記11】畑仕事へ

私がFacebookで書いてた日記です。

okinawa11

2014/7/11〜12 金〜土曜日

朝8時だというのに30度近い那覇市内を歩いて那覇新港へ行き、車を引き取り民宿へ戻った。

朝から1時間も歩いたので汗だくだが、毎日汗だくなのでもう特に気にならない。
民宿のばーちゃんにお願いし駐車場の前に車を停めさせてもらう事にして、荷物を部屋に移動させてから車で糸満市に向かう。

グーグルマップでは30分という表記だったので、昼前に出発し12時すぎに面接を受ける農園の事務所に到着した。

事務所のドアを開けるとバジルの濃厚な香りが一気に身を包む。

今までにここまで芳醇な香りを嗅いだ事がない。

そこは農家の事務所というイメージとはかけ離れた、白を基調にしたとても綺麗なオフィスだ。
パソコンは勿論、薄型のテレビやスピーカーが並び、奥には赤ん坊が眠るゆりかごがあった。

見た目は私と同世代という印象の社長とその奥さんと話しをし、明日から働く事になった。

1週間まずは様子を見て、お互い合いそうなら正式に雇用が決まる。
今は那覇市内の民宿で暮らしていて、仕事が決まり次第糸満市で家を探したいという事を告げると、この辺に一戸建てで1万円の物件があるという。
部屋の中に仏壇がある、というのが一番の理由だが、それ以外にも1万円たる所以がちりばめられた物件なのだろう。
この辺で一人暮らし用の部屋はネット水道代込みで4万円前後で借りられるし、おばけ屋敷の様な所にわざわざ住む事もないだろうと思い話し半分に聞いていた。
ともあれ仕事が決まりほっと胸をなで下ろして民宿へ戻る。

テーブルと椅子が並べられた小さな共有スペースに、同じ民宿に寝泊まりしている市議会議員が座っていた。
国際通りを散歩して疲れて帰ってきた様だ。
明日から働く事になった事を告げると、ほんまによかったなあという言葉をかけてくれた。
その後掃除に来たばーちゃんに明日から畑で働く事を告げるとすごく喜んでくれた。

時間は14時、明日から仕事をするので今日はゆっくり過ごしてもいいだろうと思い共有スペースで市議会議員と話しをしていた。

「油代出すし、車でここ連れてってくれへんかな」

そういいながら中村家住宅と書かれたパンフレットを差し出した。
ここは何百年も前の上級農家の家で、戦前の沖縄の住宅建築の特色を全て取り揃えた建物らしく、国指定重要文化財に指定されている。
特に何もする事がなかったので市議会議員を助手席に乗せて車を普天間方面に走らせて観光に行く事にした。

58号線をひたすら北上し、車中では市議会議員が参加した沖縄での会議で、沖縄県だけ人口が右肩上がりに伸びている事、観光客も同様で右肩上がり、そして地理的にもアジア屈指の観光都市になれるといった事を話し合ったという事や、息子をアメリカ留学させた事、そして農業に関しての事を話して過ごした。

市議会議員にナビを頼み中村家住宅に到着し、入場料金を市議会議員に払ってもらって中を見せてもらった。
邦画で良く見るような田舎のおじいちゃんの家というような作りで、私は途中暑さもあって住宅の畳の上で足を伸ばし座っていたが、市議会議員は木や石の素材や組み方までまじまじと見入って、琉球石灰岩は今でも取れるんですかとか、重文になったら維持が大変でしょうとか、色々な話しをしている。
その後中村家住宅の縁側に座り、晴天とグーグルで検索をしたら一番最初にヒットする画像の様な、澄み渡った青い空を見ながら、1万円の一戸建ての物件も悪くないなと感じる。
この中村家の様に立派な一戸建てではないのは当然だが、こうして家の中と外の境界が曖昧な場所で暮らすのも沖縄っぽいし、ここまで来て東京でも住める様な1LDKに住んでもしょうがない様な気もしてくる。

「そりゃ絶対1万円の物件住んだ方がええやろ。仏壇なんて位牌が無かったらただの飾りや。do it yourselfいうてな、自分でリフォームしてな、ゴキブリが嫌なら昔みたく蚊帳の中で寝たらええやん」

中村家住宅の隣にある甘味処でかき氷を御馳走になりながら賃貸物件の話しをしたが、明るく豪快な市議会議員らしい答えがかえってきた。
今すぐ決める事はないが、少しずつ一戸建ての物件に心が傾いてくる。

その後、車で3分ほど走らせた所に世界遺産の中村城があったので二人で車を走らせて向かった。
高台の上にある城の中を見物していると、見てみい、オスプレイやと市議会議員が言って空を見上げていた。飛んだらいつかは落ちるもんやでと吐き捨てる様に言い放った。

まだ日暮れまでは時間がかかりそうな18時すぎに民宿に戻り、くつろいでいた裏方さんにハーブ農園での仕事が決まった事を告げて、今日も3人で酒を飲んだ。
油代やと言って4000円とビールを市議会議員が手渡してくれた。
明日から仕事が始まるので早めに寝ようと決め、シャワーを浴びてストレッチをして就寝した。

仕事は朝の8時から17時までの勤務で、休憩をはさんで8時間勤務となる。
朝の6時代に出発しかなり早い時間に糸満市には着いてしまったが、初日から遅刻は出来なかったのでコンビニで暇をつぶす。

グーグルカレンダーを同期してもらい一日の仕事内容を確認し、業務に取りかかった。
バジルやレモングラス、アワビ茸などを収穫、水散布を行い、後は台風で痛んだビニールハウスの補修をした。
昨日の時点で5メートルぐらいの高さは大丈夫ですかと言われていたが、明らかに10メートル以上はある鉄筋のビニールハウスの上によじ上り作業を行った。

何とか初日の勤務が終了し、くたくたの体を車に放り込んで帰り道にあるアウトレットモールに向かう。
達成感やこの仕事を続けていけそうだという安堵感が重なり合って帰りの車内ではエビ中の放課後ゲタ箱ロッケンロールMXをかなり大きな声で熱唱した。
クーラーはつけず窓を開けていたが、他の誰かに見られようが特に気にならなかった。

今日の勤務はチノパンにスニーカー、Tシャツという格好で行ったが汗でパンツが太ももにくっついてしまい動きづらく、そして暑すぎた。
明日からはランニングをする時の様に速乾性のあるウェアにハーフパンツ、そして農園で働いている人と同じように裸足にクロックスを履いていこうと決める。
社長にはハーフパンツで来ていいか訪ねるとハブにかまれないようにしてくださいと言われたが、社長自身も生きてるハブなんて一度も見た事がないという程なので、警戒する必要はそこまでないだろう。

プーマ×フセインチャラヤンのスニーカーとチノパンに無数の泥をつけながらアウトレットモールあしびなーでソールがスニーカーの形になった赤いクロックスを購入し民宿へ戻った。

「暑かったね。疲れたね。大丈夫ね」

いつもの様にばーちゃんが出迎えてくれて、今日はどんな事をしたとか、ビニールハウスはこんな感じだったという話しをした。
その後シャワーを浴びて洗濯機を使おうとばーちゃんの住む3階へ行く。

「ばーちゃーん!洗濯機使っていい?」
「ああいいよ!あ、ちょっと待ってね」

そういってバナナを3本差し出した。

「朝食べないとね、力が出ないからに倒れてしまうから」

この民宿はお世辞にも綺麗とは言えないし、虫も多く発生する。
1泊1500円というこの地域では一番安い民宿だからという理由もあるが、知らない土地へ一人で来た寂しさや不安な気持ちをばーちゃんが吹き飛ばしてくれるから留まっている部分が大きい。
しかしばーちゃんはとても話しが長い。
ある程度聞いた所で無理にでも話しの腰を折ってその場を去らないと延々と話しが続く。
バナナを冷蔵庫にしまい、ビールを飲みながら洗濯物を乾かして明日に備える事にする。
明日も暑そうだ。

続きます。

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