囲碁、将棋のプロ棋士達がAIに敗北したというニュースは最近になってよく目にします。
株式トレードやFXの世界でもHFT(超高速取引)やアルゴリズムトレードが出てきた事によって、人間を凌駕するトレードができるようになりました。
どの様な分野でも当然の様にAIを導入して今後発展していくでしょうし、この流れは止められないのかもしれません。
さて、今回は
音楽業界、主に作曲の分野で人工知能はどう活用され、今後どうなっていくのか
をまとめてみたいと思います。
人口知能を利用して作られた曲
実際にどんな曲が作曲されてるのかっていうのをおさえておきましょう。
既に色々な曲が作られていまして、良い意味で全然聞ける曲が多数あります。
Jukedeck
まずはJukedeckという人工知能が曲を作ってくれるサービスです。
素敵な曲ですね。Jukedeckはジャンルやムード、尺などを選択するだけで曲が出来ちゃいます。
操作も非常に簡単でユーザー登録をした後はさくさく作れますし、音楽の知識がなくても直感的にポチポチしていけば曲が出来ます。
楽しい時代になりました。
基本無料ですが、それをダウンロードしたり著作権ごと買い取ったりするのは有料です。
Flow Machines

お次はFlow Machinesです。
メロディと歌詞とコードだけを抜き出した楽譜を約13,000曲分用意して、そこから数曲ピックアップして曲を作り、編曲していくといった工程をAIが行うものらしいです。
イメージですが、13,000人の顔写真を合成して平均的な顔作ってみたらこうなったよ!って感じでしょうか。
素敵な曲ですが仕上げは人間が行う様です。
AIを使ったミックス、マスタリング
次はミキシング、マスタリングもご紹介しておきます。
これが人工知能によって出来る様になっちゃえば1曲まるまるAIに任せて作る事も可能になりますね。
勝手にミキシングしてくれるNeutron
毎日のようにお世話になっているプラグインです。
iZotope社のNeutronは、トラックアシスタント機能を使えば数秒~10秒ほどでトラックを解析し、そのトラックにあったプリセット(イコライザー、コンプレッサーなど)を挿してくれます。
非常に使えます、めちゃくちゃ使ってます。
とりあえずNeutron挿してトラックアシスタントボタンをポチって、微調整して終わりってパターンも多々あります。
でも使っていくと精度アップしてほしい点はいくつかありまして、こう聞こえる場合はこのプリセットで!みたいな事を学習させてあるんでしょうけど、「トラックの雰囲気だいぶ違うのにまたこのプリセットかい!」みたいな事も少なくありません。
オフラインでインターネットに繋がっていない状態でも使える点から見ても、Neutron自体が勝手に学習していく訳ではないっぽいのでアップデートを待つしかないのですが。
でもめちゃくちゃ便利です、今後も幾度となく使わせていただきますiZotope様。
ドラッグ&ドロップでマスタリングできるLANDR

LANDRは人口知能によって自動的にマスタリングしてくれるサービスです。
ほんとに簡単にマスタリングできますね。
私の場合はiZotope社のOzoneを使ってマスタリングしてますが、やっぱり今の段階では自分好みのマスタリングに近づけるには自分でやるしかない気もします。
ですが今後もっと精度が上がってくると思いますし、そうなったら私のスキルなんかじゃ到底かなわないレベルになると思います。
人工知能を使って何をするかが重要
さて、ここまでご紹介してきたものを駆使していけば1曲全てAIを使って作る事も可能ですね。
曲作りだけでなくミックス、マスタリングも人工知能がやってくれるんですから、自分でやる事といったら頭で考えてマウスでポチポチっとする事ぐらいです。
ですが、この「頭で考える」という点がとても重要で、AIがクリエイティブか?っつーと今の時点ではそうでもない気がするのです。
つまりクリエイティブな部分、発想力を磨いて、その音楽を使って何をするかという部分が今後大事になってきます。
作り手としては
私自身ドラムの打ち込みやシンセサイザーの音源はプリセット使って作る事も多いですし、楽できる所は楽に作曲したい派です。
作曲するという定義も人それぞれで曖昧でしょうし、それをマネタイズしていく方法もどんどん変化し、従来のCDやグッズを売るといった行為も時代にそぐわないものになっていく気がします。
生活していくにはお金の事を考えていくべきですし、好きな事をやって生活をしたいのは誰だってそうですが、どう作って、どう発表し、どう売っていくかを考え、マーケティングを怠らずに行動する事が重要だと思います。
今後の音楽の在り方
音楽は聞くだけでなく演奏し楽しんだり共有したり遊んだりできるツールになりました。
作り手としても聞き手としても、音楽を使ってどう遊ぶかという点が一番大事だと感じてまして、乱暴な言い方をすると面倒な作業を人工知能に任せてしまい自分が楽しめる事だけをやって音楽に携わる事も可能なわけです。
楽器を演奏して遊んでみたり音ゲーのアプリで遊んでみたりDJだって高い機材をそろえる必要は無くなってiPadひとつで出来る時代になりました。
line musicでプレイリストを公開する事だってDJとやってる事は変わらないですし、表現や発表の仕方は幾通りも考えられるでしょう。
人工知能に人間が淘汰されていく未来も当然ありますが、私は人工知能と共存していくことで、より明るい未来になると信じています。
では!
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